キルケ

別嬪さん♪

ジョージ・ロムニー画「キルケに扮したハミルトン夫人」
「テオポリス」の管理人Mさんちからお借りしました(転載自由と書いてあったので)
昨夜やっとヴィヴィアン・リーの「美女ありき」を観て、実際にロムニーが描いた絵が映画に出て来たので、探してみたんだよ(#^.^#)


美女ありき [DVD]

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子供の頃観て強烈な印象があったので、観るのを躊躇していたもの。怖いもの見たさも手伝って500円のを買っていたのだ(^_^;)…母親が洋画好きで名画劇場をよく観てた(クラーク・ゲーブルダニエル・ダリュージェラール・フィリップ、ベティ・デビス…etc.←モノクロが多かったな〜)

  • あらためて観て気が付いたことなど

エマさん、実は下層階級の出だったのね。美貌を武器に大使夫人にまでのし上がり、ナポリ公国の王妃にもお目もじ出来るようにもなる。ネルソン提督との不倫は、あの時代としては凄いスキャンダルだったに違いない。それでもハミルトン卿が亡くなり、提督もトラファルガー海戦で戦死して、歴史の闇に忘れ去られてしまう。生まれた子供も、どうなったのか記録には残ってないんだろうな〜。当時の女性が後ろ盾をなくすと、没落しかなかったんだな〜(平安時代の女官達の行く末に似てる^^;)
映画の方は、あの名優ローレンス・オリヴィエを凌駕するほどの迫真の演技。ヴィヴィアン・リーの気品が物語の悲劇性を増す。
昔観たときは、万引きして留置場で半生を語るエマがすっごい老婆に見えたけど、色香を失ってるだけでそんなに「老いさらばえて」いるとは思えなかった…こちらも年を取ってるわけか(^◇^;)
「それからどうしたの?」と聞かれて「”それから”はないの。それでお終い」という最後の台詞。全てを手に入れて、全てをなくしたエマの人生が、当時のわたしには衝撃的だった。ぬるま湯のような中途半端な生き方ではない、新しい価値観を見たような気がした。今もぬるま湯に浸かりっぱなしの自分がいるんだけれど(^^ゞ
この映画を観たために「誰かを不幸にしてまで成就する恋愛(不倫など)は、地獄に墜ちる覚悟がいる!」と思った。だから「マディソン郡の橋」なんてのは最低!!チャラチャラしたのやお涙ちょうだいも虫酸が走る…というPTSDを持ってしまった。
同じ頃読んだガボリオの「名探偵ルコック」に「中量階級にはない価値観で思い切った行動をするのは最下層の人間か、最上流階級である」と言わしめているのも影響しているかもしれない。公爵かなんだかが妻の身代わりに、浮浪者になりすまして殺人容器で逮捕される話なんだけど。